新しいのではなく、古いかたちを守ってる

東京から長野へ。

今日、写真展「対岸の肖像」の被写体として長野の先生たちに話をさせてもらったのですが、せっかくなので、前日入りして、ずっと行きたいと思っていた伊那小学校を訪ねることにしました。

向かう途中、乗り替えの駅でちょっとお腹が痛くなって、時間に余裕あるから次の電車に乗ればいいや〜ってトイレに行っちゃったら次の電車がまさかの一時間後…。
田舎の電車ナメてました。
次の電車じゃ遅刻やん!
5時間目、終わってまうやん!
悩んだ挙げ句、タクシーで行くことに。
諭吉さんに羽が生えて、飛んでいきましたとさ…。
悔しすぎる。

そんなハプニングもありつつ、伊那小学校に到着。
伊那小学校は、「総合的な学習の時間」が始まるずっと前(なんと30年も前!)から羊を育てたり、家を建てたりする中で体験から学ぶという取り組みをしてきた学校です。
オルタナティブスクールとして有名なきのくに子どもの村学園がみたいなことを公立でやってます。
伊那のほうが取り組みは古くて、きのくにの実践は伊那小学校を参考につくられたところも多いようです。

雰囲気は…なんというか昭和な感じ。校舎もかなり年季が入ってるし、二ノ宮金次郎の像がほんまに立ってる学校、初めて見ました(笑)
私は牛のせいちゃんを飼っている2年生の正組の授業を見せてもらいました。

子どもたちが、思いや願いをもって「小屋が小さくなってきたから大きくしたい」「えさをたくさん食べるようになったから、えさ箱を大きくしたい」「入り口のドアが閉まりにくいから修理したい」「もうすぐ赤ちゃんが生まれるから、その時どうしたらいいか、今から調べたい」などなど、意見を言い合っている姿が印象的でした。
子どもたちが、つなぎを来て、それぞれにせいちゃんのお世話をしている様子は、机にしばりつけて、先生の話を静かに聞く授業よりも自然な子どもの姿に見えました。今、当たり前だと考えられている授業のかたちって、実はすごく不自然なんじゃないだろうか。子どもに無理を強いてるんじゃないだろうか。

校長先生が、
「伊那は新しい教育をやってるわけじゃない。昔からやってきた古い取り組みをむしろやり続けてる。」
「教師は子どもを導くのではなく、一緒に課題にぶつかる。だって毎日が事件で、教師が答えなんて持っていない。」
とおっしゃっていたのが印象的でした。

2月にCOREツアーin長野をしようと思ってます。
もちろん伊那小学校に行きたいと思っているので、興味のある方はぜひご一緒に。